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Microsoft for Startups は、革新的な技術やソリューションを持つスタートアップ企業さま向けの日本マイクロソフトの支援プログラムです (※)。これまで、140 か国以上のさまざまな産業分野で、数多くのスタートアップ企業さまにご参加いただいており、なかでも近年はヘルスケア関連のスタートアップ企業さまの参画が増えています。

この流れを受けて、日本マイクロソフトではヘルスケア分野でのスタートアップ企業さまの活躍をさらに後押しする施策として、Healthcare Startup Boot Camp を企画、2021 年下半期に初回を実施する予定です。
本稿では、Microsoft for Startups が目指す新たなパートナーシップの形と、ヘルスケア分野におけるスタートアップ企業支援の今後の展開についてご案内します。
※Microsoft for Startupsの詳細や事例については、こちらをご参照ください。

日本マイクロソフト株式会社 医療・製薬営業統括本部 事業開発担当部長
清水 教弘

日本マイクロソフト株式会社 コーポレート事業本部 クラウド事業開発本部
ビジネス デペロプメント マネージャー
戸谷 仁美

■日本マイクロソフトがスタートアップ企業を支援する理由

創業以来、日本マイクロソフトのビジネスにおいて、パートナーとなる企業さまは欠かせない存在です。日本マイクロソフトは、これまで OS やアプリケーションのライセンス ビジネスで販売代理店さまや流通業者さまと築き上げてきたパートナーシップと同様、近年重心を移しつつあるクラウド ビジネスにおいても、パートナーさまと協業し、クラウド サービスという材料をつかったソリューションとして社会に向けて展開することが、革新的な技術と社会変革につながると考えています。
パートナーさまのなかでも、スタートアップ企業さまの持つクラウド ネイティブかつイノベーティブな技術には、業界のありようを変えてしまうような革新的なものも多く、迅速に展開できるスタートアップならではの強みもあります。そんなスタートアップ企業さまの成長を促進し、中長期的にパートナーシップを築いていくことを目的として、日本マイクロソフトではさまざまな支援策を拡張しています。

そのうちのひとつが「Microsoft for Startups」です。日本マイクロソフトの持つテクノロジ アセットのご提供やハンズオン技術支援のほかに、ビジネス開発やマーケティング、エンタープライズ企業とのマッチングなどを通じてスタートアップ企業さまの成長曲線を引き上げていくプログラムで、全世界約 1 万社、日本でも 230 社を超える企業さまにご参加いただいています。

Microsoft for Startups グローバル ネットワーク世界地図

Microsoft for Startups を通じた活動の背景には、日本マイクロソフトの「企業規模を問わず、さまざまな企業さまとともに成長していきたい」という思いがあります。
スタートアップ企業さまの多くは、独自の革新的な技術やソリューションを持つ反面、資金や人材などのリソースが不足しているという悩みを抱えています。そこで、日本マイクロソフトが持つクラウドサービスや各種開発ツール、技術的なノウハウ、大手企業とのつながりといった強みをスタートアップ企業さまの成長に役立てていただき、将来に渡って共創していけるパートナーシップを築くことが、スタートアップ企業さま、日本マイクロソフト、ひいては社会の発展、成長につながるのです。

■スタートアップと共創し、成長を促進する Microsoft for Startups

Microsoft for Startups のプログラムは「環境支援」「技術支援」「事業支援」を 3 本柱として展開されています。

スタートアップ企業支援における注力領域

オファー概要

「環境支援」においては、Microsoft Azure や Microsoft365 といった日本マイクロソフトのテクノロジ アセットのご提供により、開発環境を整えるとともに、社内コミュニケーション基盤をパッケージで整えていただくことができます。最大 1,200 万円までの Microsoft Azure の無料利用枠は、高処理スペックのサーバを用意する金銭的な余裕のないスタートアップ企業さまが積極的にサービス開発に挑戦できる点を高く評価されています。
「技術支援」では文字通り日本マイクロソフトのエンジニアが初動に向けた Microsoft Azure の設定、アーキテクチャの見直し、運用サポートなど、個社ごとに状況をヒアリングし、各社が必要としている技術支援を行います。
「事業支援」では、日本マイクロソフトが持つリソースや大企業との関係を生かして、セールスやマーケティングの後方支援を行い、スタートアップが事業成長を促進するための「共創」ができる形を追い求めています。
例えば事業の大切なマイルストーンと共に発表されるリリースの SNS を活用した後押しや、最近では大手企業さまとスタートアップ企業さまのマッチングも加速しています。また、パートナーシップの成熟度に伴い、共同でのウェビナー開催やイベントでのご登壇の機会もご提供しています。過去には日本マイクロソフトが主催する「Deep Leaning Lab」のヘルスケア シンポジウムで、日本マイクロソフトと協業するヘルスケア分野のスタートアップ企業さまに登壇いただいた実績もあり、今後、同様のイベントで Microsoft for Startups 参加企業さまにご登壇いただく機会も増えてくるはずです。

技術支援

共同プロモーション・PR

参考記事: 「オンラインシンポジウム「DLL Healthcare Day 2021 医療×AI への参入障壁を乗り越える」開催によせて

■ヘルスケア分野の障壁を越えるためのパートナーシップ

近年、ヘルスケア分野における AI 市場は爆発的な伸びを見せており、今後さらに巨大な市場に成長することが予想されています。2021 年 10 月現在、Microsoft for Startups のプログラムにご参加いただいているスタートアップ企業さまは 230 社以上。ニッチな専門領域や革新的な技術を携えたスタートアップ企業さまが、ヘルスケア分野で続々と新たなビジネスをつくるトレンドは今後も加速するものと思われます。一方で、ヘルスケア業界はいわゆる規制産業でもあり、AI を含めた新しい技術やソリューションが参入しにくい特徴も持っています。

AI 市場の成長 2023 年度には 9,000 億円を超える市場規模へ

日本マイクロソフトは、患者さまに治療を行ったり、新薬をつくったりといった、直接的な患者さまへの医療サービスを提供することはできません。一方、医療サービスを直接提供されている企業さまがよりよいサービスを提供できるように、テクノロジの力で支援させていただいており、ヘルスケア分野のパートナー企業さまとともに築き上げてきた知見やノウハウを大量に保有しています。
そうした日本マイクロソフトの持つ要素技術や知見を、革新的な技術やソリューションを持つスタートアップ企業さまに最大限に活用していただき、新たな事業をつくり出していただきたいと思っています。互いを高め合うパートナーシップを築き上げて、ヘルスケア業界への参入障壁を取り除き、革新的な技術で医療の質を向上させたい。そして誰もが健康に過ごせる社会づくりに貢献したい。それが私たち日本マイクロソフトの願いなのです。

イノベーションへの投資加速と利用の拡大

日本マイクロソフトでは、各産業での DX (デジタル トランスフォーメーション) を加速するため、「Mixed Reality」「AI」「量子コンピューティング」の 3 つの領域に投資をおこなっています。特に Mixed reality と AI に関しては、ヘルスケア分野との親和性が非常に高く、多くのご期待をいただいています。まだレガシー技術が多く残っているヘルスケア業界にインパクトをもたらし、遠隔診療や創薬、予防医療といった分野で常識を変革できる可能性を秘めているのです。ぜひ多くのスタートアップ企業さまに Microsoft for Startups に参加いただき、ともに障壁を越えていければと考えています。

■ヘルスケア業界における Microsoft for Startups 参加企業事例

Microsoft for Startups に参画いただいているパートナー企業さまをご紹介します。

ヘルスケア業界におけるスタートアップ エコ システム (一部抜粋)

株式会社カルディオインテリジェンス
心房細動は脳梗塞を引き起こす危険因子の 1 つですが、発作時に心電図で発見しなければ見逃されてしまいやすいうえに、専門医でなければ診断の難しい病気で、日本では 70〜100 万人の未診断患者がいると言われています。カルディオインテリジェンスでは「長時間心電図解析クラウドサービス SmartRobin™️」をはじめとする AI 技術を用いたソリューションによって、非専門医や非発作時でも心房細動を早期発見・早期治療できる社会を目指しています。

エピストラ株式会社
ライフサイエンス分野では現在「再現性の危機」が叫ばれています。多くのライフサイエンス企業や研究機関が、作業手順の属人性や思いもかけない条件差によって実験の再現性が下がってしまい、事業化につながらないという悩みを抱えているのです。エピストラは AI による自動実験最適化システム「Epistra Accelerate」により、これまでよりも少ない試行回数で目的とする最適条件を発見。研究開発期間の短縮・収率の向上を支援しています。

AICRO株式会社
製薬の治験や臨床研究では、データ収集の正確性や高いセキュリティが求められ、そのモニタリング業務には大きな人的、時間的コストがかかります。特に正規化されていないカルテの記載を構造化し、かつクラウドでセキュアに取り扱うことが高いハードルとなってモニタリング業務の IT 化が遅れています。AICRO は治験・臨床研究における診療情報の収集に AI を導入して DX を推進、医療機関の治験協力への負担を軽減し、CRO の業務を効率化するエンジンを開発しています。

■ヘルスケア分野に特化した Healthcare Startup Boot Camp を開催

現在、日本マイクロソフトでは、Microsoft for Startups をベースにした「Healthcare Startup Boot Camp」を構想しています。Microsoft for Startups では、テクノロジ アセットのご提供とセールス、マーケティングの後方支援を行っていますが、この「Healthcare Startup Boot Camp」の立ち上げの背景には、より特定のインダストリに対し、一歩踏み込んだ取り組みができればという思いがあります。

Microsoft for Startups にヘルスケア関連事業に取り組まれているスタートアップ企業さまが多く参画されている点と、ヘルスケア業界が規制産業であり参入障壁が高い点を踏まえ、長年日本マイクロソフトがヘルスケア業界での活動を通じ培ったノウハウを、技術面だけでなく、事業面でもナレッジシェアを行い、ヘルスケア業界で果敢に事業に取り組まれているスタートアップ企業さまの飛躍に貢献するのが、「Healthcare Startup Boot Camp」の目的なのです。

Healthcare Startup Boot Camp は 4 つのフェーズを想定しています。最初のフェーズでは、ヘルスケア業界における日本マイクロソフトのこれまでの取り組みをご紹介させていただくオリエンテーションを実施し、次のフェーズは日本マイクロソフトの顧客である製薬会社さまや医療機関さまに対して共同提案できるシナリオの作成とブラッシュアップ。3 つ目のフェーズでは、技術の視点とコンプライアンスの視点から、ヘルスケア業界での事業展開で注意すべき点についてインプットさせていただきます。最終的には、ヘルスケア業界の企業や団体に作成したシナリオを共同提案できるレベルを目指しています。

Healthcare Startup Boot Camp の概要

第 1 回目の Healthcare Startup Boot Camp は 2021 年下半期を予定しており、まずは創薬領域のスタートアップ企業さまを対象として実施したいと考えています。興味をお持ちいただけましたら、ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。私たち日本マイクロソフトは、今後さらに良質なプログラムを準備して、より多くのスタートアップ企業さまのヘルスケア業界への進出をサポートできるよう努めてまいります。

お問い合わせ
HP: https://startups.microsoft.com/ja-jp/
MAIL: Microsoft Japan Startup Team <msjpst@microsoft.com>
申込先: https://startups.microsoft.com/ja-jp/