診察中の医師と患者

※本ブログは、米国時間 2022 年 3 月 15 日に公開された Microsoft Cloud for Healthcare: Reshaping the future of healthcare の翻訳です。

新型コロナウイルス感染症は、医療にあらゆる影響を及ぼしました。この 2 年で医療は様変わりし、新たなトレンドが浮かび上がっています。たとえば、患者向けにパーソナライズされたエクスペリエンスを創出する必要性が高まり、バーチャル医療ソリューションの導入機会を通じて医療提供者向けの新たなケアの方法が実現しています。また、医師の疲弊を和らげるために管理負荷を削減するという課題もあります。

医療の未来を再構築するには、迅速に対応し、次に何が起こるかを予測できるよう、俊敏性を保つ必要があります。また、データをリソースとして活用し、その潜在能力を実際に役立つ力に変える、医療ソリューションへの新しいアプローチが求められます。マイクロソフトでは、患者と医師のエクスペリエンスを継続的に向上させながら、よりパーソナルで、手ごろな費用で、効果的で利用しやすい医療が提供できる最先端の新しいソリューションの導入に取り組んでいます。このイノベーションの新しい波を起こすのが、Microsoft Cloud for Healthcare と、このソリューションを利用してコネクテッド医療の取り組みを継続的に再構築するしくみです。Nuance の買収完了 (英語) に関する先週のニュースを聞き逃した方には、米国フロリダ州オーランドで開催される HIMSS22 (2022 年 3 月 14 ~ 18 日) で両社に関する最新情報をお伝えします。 

患者のエンゲージメントの向上

医療機関はこの数年の間に、優れた消費者エクスペリエンスが生み出されれば、患者が楽になるだけでなく、患者の治療過程全体を通じてスタッフも安定したケアを提供しやすくなることを認識するようになりました。

Microsoft Cloud for Healthcare は、新たに強化された患者ビューにより、さらに詳細な患者の全体像を提供し、患者の治療過程を明確かつ直感的にあらゆる角度から確認できるよう、組織が患者エクスペリエンスをより的確に把握してその質を向上できるよう支援します。このビューは、組織独自のエンドツーエンドのシナリオに合わせてカスタマイズできます。また、患者に関する洞察に対する新しい拡張機能のプレビューも提供します。この機能により、ケア マネージャー、患者の代理人、訪問介護士、公衆衛生のアナリストは、患者に関する有意義な洞察を効果的に入手し、提供できるようになります。患者に関する洞察から得られた分析を利用すれば、臨床プロセスやケア管理エクスペリエンスの改善が期待できます。

スタッフ不足に対応するには、AI を活用したボットやバーチャル診療などのテクノロジで患者サポートの担当者や最前線の医療従事者の能力を強化して、リモートでも効果的に患者を支援できるようにします。これにより、チームの貴重な時間を節約しながら、患者が安定した品質のケアを受けられるようになります。

Azure Health Bot を利用すると、医療機関は、コンプライアンスを確保しながら安全に、患者からの応答を直接集めるボット シナリオを即座に作成して、トリアージやインフルエンザ ワクチンの予防接種などに役立てることができます。現在、このテンプレート カタログを新しいテンプレートで拡張し、QOLの測定値や慢性疾患管理のセルフレポートを作成できるようになっています。

また、最前線の医療従事者向け Microsoft Teams を通じて、いくつかの新機能も公開します。その 1 つとして、Cerner 向け Microsoft Teams EHR コネクタの一般向けの提供を発表します。Cerner 準拠の新しいアプリケーションで Microsoft Teams EHR コネクタの機能を拡張することで、Cerner PowerChart から直接 Teams に接続して医師が患者とのバーチャル診療を開始したり、他の医療提供者の助言を求めたりすることが容易になります。また、他の医療チーム メンバーをバーチャル診療に参加させることも、より良い患者ケアを提供するために診察の状況レポートをリアルタイムに受け取ることも簡単です。さらに、Microsoft Teams EHR コネクタを通じてデバイスをテストする新機能を利用すると、患者はバーチャル診療の前にハードウェア設定をテストすることができ、連絡なしのキャンセルを減らすために役立ちます。

マイクロソフトでは、管理の負荷を削減できるよう、より良いバーチャル診療のための新しい方法を提供します。患者のトリアージ情報は、Microsoft Forms と Microsoft Bookings アプリの統合により、Teams でバーチャル診療の一環として収集できるようになりました。

すでに拡張されている患者向け機能では、医療提供者との予約をオンデマンドでリクエストできます。オンデマンドのスケジュール設定を使用する組織では、Teams の Bookings アプリを通じて、オンデマンド予約を待ち行列ビューで確認し、モニターできます。医療チームはオンデマンド予約のリクエストを確認・モニターし、患者の待ち時間や予約のキャンセル、スタッフの遅刻などについて、最新情報をリアルタイムに確認できます。

バーチャル診療のパフォーマンスに関する洞察を獲得することは、待合室での待ち時間、SMS 通知の効果、診療にかかった時間など、重要なビジネスの洞察を把握するのに重要です。Microsoft Bookings と Microsoft Teams EHR コネクタでスケジューリングされた予約の場合、認可されたユーザーは、このような領域に関する洞察を Microsoft Teams Admin Center で確認できます。

医療チームのコラボレーションの支援

今回のパンデミックは、医療業界の「燃え尽き症候群」のリスクを浮き彫りにし、ひどく悪化させました。すでに多くの医師が限界に達しています。最近の調査 (英語) によると、米国では、最前線の医療従事者の約 3 分の 1 が、勤務先の退職に留まらず、職種の変更も考えていることが明らかになりました。世界保健機関の予測 (英語) では、2030 年までに 1,800 万人の医療従事者が不足するとされています。

テクノロジだけで燃え尽き症候群を根絶することはできませんが、支援はできます。適切なツールがあれば、コミュニケーションの集約、洞察の獲得、ファイル共有の促進、労働力管理の合理化、パートナー アプリケーションの統合が可能になります。また、適切な専用デバイスを利用すると、エンゲージメントの合理化や生産性の向上を実現し、健康状態を追跡してサポートしたり、従業員がどこで仕事をしていてもチームの連携を維持することができます。マイクロソフトの最新の WorkLab 記事 (英語) をチェックし、最前線の医療従事者を疲弊させる諸問題と、それに役立つツールをご確認ください。

より良いコミュニケーションとコラボレーションをもたらすソリューションによって、EHR から生じる業務負荷を緩和することもできます。Microsoft Teams は、医師や管理者などの医療従事者全体の管理作業を同期し、適切な関係者に適切な情報を安全に通知する手段になります。このようなソリューションの導入により、チームは効率が高まる上、チームと自分たちの時間が尊重されているということを実感できるでしょう。このイノベーションが医療チームの生産性とコラボレーションにどれほど大きな違いを生み出すのかをご確認いただけます。マイクロソフトの HIMSS ブース (#2300) にぜひお越しください。

医師のエクスペリエンスを強化

最前線の医療従事者の「大量退職」と医師に蔓延する燃え尽き症候群の 2 つは、業界としてこの 10 年間に直面したきわめて大きな課題です。Microsoft と Nuance (英語) は独自の立場を築き、このような問題にクラウドと AI を活用した高度なソリューションで対処します。私たちのテクノロジは、臨床ドキュメント作成の自動化と、遠隔医療アプリケーションによる柔軟性がきわめて高い医療の提供により、患者エクスペリエンスをより良いものにし、医師をサポートできるよう設計されています。

私たちは協力して、医療データ間のサイロの排除、アンビエント クリニカル インテリジェンスの拡大、医師と医療チームの効率向上、さらには全体的な医療コストの削減に取り組みます。

診療と業務に関する洞察の向上

医療業界が直面しているもう 1 つの課題は、業界から生み出される膨大な量のデータで、ほとんど構造化されておらず、アクセスが困難です。データの処理で貴重な時間が無駄になるだけでなく、分析や大規模な AI や機械学習にデータを利用できません。マイクロソフトでは、Microsoft Cloud for Healthcare に新たに投資し、医療機関によるデータの相互運用性を高める取り組みをサポートしていきます。Azure Health Data Services の一般向けの提供は、医療機関やライフ サイエンス組織が医療データから能力を引き出し、活用できるようにするための重要な次のステップです。

Azure Health Data Services は、Fast Healthcare Interoperability Resources (FHIR) や Digital Imaging and Communications in Medicine (DICOM) などのデータ標準をサポートする、臨床、画像処理、MedTech データ向けの製品やソリューションを集めた新しいスイートです。Azure Health Data Services は、医療 API、医療データ コネクタ、個人の医療データ専用ツールのセットで構成されており、さまざまなソースのデータのまとめ方を考慮しながら、コンプライアンスの境界と患者のプライバシーに対応しています。医療機関とライフ サイエンス企業は、このマネージド サービスによって、新しいワークロードの強化や複数のデータ タイプの同時分析、信頼性の高いクラウドの構築を実現できます。

FHIR は世界中で急速に採用が進んでいますが、構造化されていない情報を臨床のナラティブで表現する上では大きな乖離があります。しかし、医療構造化に対応した Text Analytics を通じて FHIR に接続する機能 (英語) の公開により、この状況が変わろうとしています。医療機関はこの新しい構造化機能を利用して、構造化されていない臨床ドキュメントを US Core 標準に従って変換し、相互接続された階層的な FHIR リソースにすることができます。この画期的なソリューションがあれば、医療業界のお客様向け Text Analytics により、患者や公衆に関する洞察が深まり、相互運用性が強化されます。

パートナーを通じて価値の向上とカスタマイズを実現

ここ数年、マイクロソフトは主要な独立系ソフトウェア ベンダー (ISV) およびシステム インテグレーター (SI) パートナーと共同で Microsoft Cloud 内での開発を進めてきました。パートナー各社は Microsoft Cloud の強みを活用して、コアとなる Microsoft Cloud for Healthcare の機能を拡張し、イノベーションの新たな機会を見いだす、統合された医療ソリューションを提供することでお客様の役に立てるように取り組んでいます。そして、お客様ごとの独自の環境とビジネス プロセスに合わせて、これらの機能を完全にカスタマイズできるように医療機関をサポートしています。HIMSS には、私たちとともにマイクロソフトのパートナーが多数参加しており、最新のイノベーションを参加者と共有しています。

マイクロソフトのブース (#2300) では、パートナー 7 社 (Efferent、EPAM、KPMG、Quisitive、PwC、Tegria、Teladoc) がライブ デモに加わり、それぞれのソリューションを紹介します。マイクロソフトのパートナーが Microsoft Cloud for Healthcare の機能を活用して、お客様に迅速に価値を提供するしくみを直接ご確認ください。

協力して医療を再考する

今週開催されている HIMSS22 のテーマは、「医療の再考」です。私たちはこの 2 年の間に、医療に変革のきっかけを与えるイノベーションの事例を数多く経験しました。

お客様との対話を重ねると、Microsoft Cloud for Healthcare の機能強化に対するモチベーションが高まります。イノベーションを起こし、医療の再構築と再考を促進するよう、私たちの業務は拡大を続けます。マイクロソフトと私たちのパートナー エコシステムは、人々の回復力向上、エンゲージメントの強化、最前線の医療従事者の能力強化を通じて、各組織があらゆる場所でチーム、組織、患者に利益をもたらすことができるよう取り組んでいます。Microsoft Cloud for Healthcare について、Web サイトで詳細をご覧ください。ソーシャル メディアをフォローし、最新情報を入手してください。

リソース