最先端のデジタル技術を活用する作業現場

2021 年 11 月 30 日(火)に、日本マイクロソフトが特別協賛するオンラインセミナー「DX フォーラム 2021〜最先端のデジタル技術活用で実現する現場作業支援・人材育成の向上〜」が開催されました。製造・自動車業界が抱える課題に IT の力で立ち向かう企業の先進事例と、それをサポートする日本マイクロソフトのデジタルテクノロジをご紹介しており、配信後にはたくさんの反響をいただきました。

このセミナーは現在も無料でオンデマンド配信をご覧いただけます。DX 推進に関するお悩みを抱えている方、最新の DX 事例やテクノロジに興味のある方はぜひご覧ください。また、セミナーの背景と注目ポイントについて以下にまとめましたので、視聴の際の参考としてご一読ください。

■オンデマンド配信概要

「DX フォーラム 2021 〜最先端のデジタル技術活用で実現する現場作業支援・人材育成の向上〜」

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

特別協賛:日本マイクロソフト株式会社

協力:アバナード株式会社、南国アールスタジオ株式会社

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■製造・自動車業の現場において、いま起きている危機

近年の急激な気候変動や技術革新、米中貿易摩擦などの要因に加え、新型コロナウィルスの流行によるサプライチェーンの寸断は、全世界の製造・自動車業者に否応なく「不確実性の時代」への対応を求める決定打となりました。

経済産業省が毎年発表している「ものづくり白書」2020 年版では、日本の製造業の課題として、世界の不確実性の高まりへの対応能力(ダイナミック・ケイパビリティ)の強化が挙げられています。2021 年版のものづくり白書においても、ダイナミック・ケイパビリティの強化は必要不可欠であるとされており、製造事業者がニューノーマルの時代を生き抜くために必要な戦略として「レジリエンス」「グリーン」「デジタル」の 3 つのポイントが挙げられています。

ニューノーマルでの生き残りに向けた ディーエックスの取り組み

一方、製造・自動車業界の現場においては、思うように DX が進んでいない実態があります。これまで日本の製造業は、現場の熟練技能を大きな強みとして成長してきましたが、人材の高齢化にともなって技能を継承できなくなるなど、現場オペレーションにおけるスキルとリソースの最適化や、生産技術革新への対応の遅れなどが問題になっています。

また、3D CAD の導入によるバーチャル・エンジニアリングはエンジニアリングチェーンにおいて製品開発の協業を推進する極めて有用なデジタル技術ですが、2019 年 12 月の段階で日本における 3D CAD の普及率は 2 割に満たず、協力企業への設計指示の半数以上が図面で行われるなど、海外と比べて大きく遅れをとっています。これらの状況を見ると、業界全体のレジリエンス強化への道は険しいと言わざるを得ません。

■レガシーシステムが阻害する製造・自動車業界の DX

日本の製造・自動車業の DX 推進を阻害する大きな要因のひとつとして、エンジニアリングチェーンにおけるレガシーシステムの存在が挙げられます。製造・自動車業のエンジニアリングチェーンでは、関係各部門、さらに自社以外のパートナーとのコラボレーションが欠かせません。ですが、業務システムがそれぞれの現場に最適化されてブラックボックス化していたり、データ収集や分析は現場任せで他部署と連携されていなかったりといったケースが多く見られます。

その結果、情報の連携が円滑に進まず、トラブルへの対応も遅れ、不測の事態が起きた場合、エンジニアリングチェーン全体が機能不全に陥ってしまいます。ただでさえ顧客の期待価値の激しい変化やテクノロジ革新による既存製品の陳腐化など、エンジニアリングチェーンへの負荷が増大しており、より一層エンジニアリングチェーンの生産性向上が求められている状況にもかかわらず、レガシーシステムの存在がボトルネックとなって DX が進まないのです。

製造業のバリューチェーンとレジリエンスを阻害する顕在化した課題

そんな中、レガシーシステムを打破し、積極的に DX を進めてきた企業もあります。これらの企業はコロナ禍においても迅速にサプライチェーンを復旧し、エンジニアリングチェーンを停滞させずに業務を持続するなど、不確実性に対応するレジリエンスの強さを実証しています。また、デジタル技術の活用に積極的な企業ほど、労働生産性の向上や業務効率化を実感しているというデータもあります。レジリエンス強化、DX の停滞に悩む企業にとっては、これらの企業の取り組みが大いに参考になるはずです。

■「DX フォーラム 2021 〜最先端のデジタル技術活用で実現する現場作業支援・人材育成の向上〜」プログラムについて

本配信では、前項で挙げたような課題の解決にいち早く取り組まれている製造・自動車業における事例のご紹介および、製造・自動車業のよりレジリエントで持続的発展が可能な未来の実現を支援する、マイクロソフトのテクノロジについてご紹介しています。

まず冒頭のマイクロソフトセッションでは、『製造業バリューチェーン× DX』をテーマに、現場従業員の負担軽減を進めるためのデジタル技術の適用例および『レジリエンスの高い製造オペレーション』をテーマに支援を加速させる日本マイクロソフトのテクノロジについてご説明します。

配信後半のセッションでは、数多くの企業 DX を支援されてきたアバナードの庄昌子氏より、Microsoft HoloLens 2 をはじめとするマイクロソフトのテクノロジを用いたソリューションによって、フロントラインワーカーが感じている「距離の壁」「情報・言語の壁」「実現速度の壁」を乗り越える「新しい働き方」の可能性についてご講演いただいています。

製造の現場のディーエックスはフロントラインで働く人々の体験をアップグレードすることから始まる

そして、南国アールスタジオの村上正樹氏より『現場オペレーションの支援』をテーマに、Mixed Reality 技術を活用した遠隔会議システム「WHITEROOM」を基盤としてバーチャルミーティングルームを開発した三菱重工業の事例紹介とともに、急速に社会実装が進む遠隔コミュニケーションの現状と今後の展望についてご講演いただいています。

コラボレーティブコンピューティングとは?

■【日産自動車が進める生産現場の DX】 Mixed Reality を活用した早期作業習熟の実現

この配信の目玉となるのが、生産現場の DX と早期作業習熟の実現について実践的な知識を得られる日産自動車のセッションです。『スキルとリソースの最適化』をテーマに、日産自動車の村田和彦氏・村井勇一氏・清水一樹氏をお招きして、実際にデモンストレーションを交えながら、生産現場でどのように MR が活用されているのか解説していただきます。

「ニッサン インテリジェント ファクトリー」は、新型クロスオーバー EV「日産アリア」の生産を担う栃木工場に導入されたクルマづくりのコンセプトです。その柱のひとつである「人とロボットの共生」を実現する技術として日産では MR (Mixed Reality、複合現実)を採用し、生産現場の DX を推進しています。本セッションでは、「ニッサン インテリジェント ファクトリー」のひとつの取り組みとして「MR を活用した革新的作業指導」をご紹介いただいています。

セッション冒頭では、常務執行役員の村田氏が「ニッサン インテリジェント ファクトリー」設立の背景について解説。いま自動車産業においてはスタンダードだった労働集約型の生産形態からの脱却、少子高齢化や新型コロナウィルスのパンデミック、気候変動などへの柔軟な対応が求められており、日産自動車ではこの条件を満たす新しい自動車生産の形を模索しているそうです。

また、車づくりは作業の高度化が進んでおり、今後は複雑かつ高度な自動車をつくるため、変動に強い生産現場、生産技術が要になってきます。そこに対応するために設立されたのがニッサン インテリジェント ファクトリーなのです。

自動車の産業事業を取り巻く環境 高度化する商品への対応

続いて、栃木工場の現場で進められている、デジタル技術による早期作業習熟について、デジタル活用推進担当の村井氏にご紹介いただいています。ニッサン インテリジェント ファクトリーでは、人、製品、設備その他、いろいろなセンサーからの情報を集約、見える化することで、リアルタイムの状況確認や作業の効率化を図っています。ただ、システム開発コストや保守・運用などの課題も見出されているそうです。この課題の解決は日産自動車に限らず、DX を推進しようとする企業には共通のものとなるはずなので、ここで語られる内容は必聴です。

栃木工場 新モーター組立ラインへのデジタル技術導入

そしてインテリジェント作業支援システム(IOSS)の開発を担当した清水氏からは、習熟期間や指導工数の大幅削減に成功した、MR 技術を活用した革新的作業指導についての紹介がデモンストレーションを交えて行われます。このデモンストレーションは、本配信のひとつの大きな見どころです。

実際に現場で行われる検査に基づいてデモが行われ、動画で紹介されているので、視聴者はその効果をよりわかりやすく体感できます。現場作業員の生の声も聞けるので、常に改善点を見出しながら工夫を重ねている様子も伝わってきます。なにより、このような形でのプレゼンテーションを配信で見られること自体が、DX のひとつの形だと実感できるはずです。

インテリジェント作業支援システム

■製造・自動車業界の DX 推進に貢献するマイクロソフトのテクノロジ

日本マイクロソフトでは、製造・自動車業界の DX を推進し、レジリエンス強化に貢献するために「エンジニアリング from Anywhere」という統合環境をご提案しています。これは、どのような状況下でもリモートでパートナーとコラボレーションしながらエンジニアリングを継続、さらに効率化するための作業環境です。

マイクロソフトが実現する統合環境
デジタルエンジニアリングプラットフォームの実現

また、ものづくりの現場において、Microsoft HoloLens 2 はリモートでの作業支援や技術の継承・向上に有効なツールとして利用されています。さまざまなアプリケーションと連携させることで、遠く離れた場所にいても、同じ視界で資料を見ながら作業を進めたり、アバターを使ってミーティングできたりと、製造現場の作業を大きく変える可能性を秘めたツールであり、本配信をご覧いただいてもわかるとおり、Microsoft HoloLens 2 を使って多くの製造・自動車業界の企業がスキルとリソースの最適化を実現しています。 本稿およびオンデマンド配信で興味を持たれた方は、日本マイクロソフトまで気軽にお問い合わせください。

■オンデマンド配信概要

「DX フォーラム 2021 〜最先端のデジタル技術活用で実現する現場作業支援・人材育成の向上〜」

主催:株式会社ビジネス・フォーラム事務局

特別協賛:日本マイクロソフト株式会社

協力:アバナード株式会社、南国アールスタジオ株式会社

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