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業界

お客様の権利保護に関する新たな成果のお知らせ

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(この記事は 2014 年 5 月 23 日に Microsoft on the Issues に投稿された記事 New success in protecting customer rights unsealed today  blankの翻訳です)
投稿者: Brad Smith blank

国家安全保障書簡に対する異議申し立てが認められたことにより、政府が企業のお客様のデータを要求した場合に、そのお客様に対して通知するという従来のポリシーが保護されることになりました。

マイクロソフト法務本部ゼネラル カウンセル兼エグゼクティブ バイス プレジデント 先日、シアトルの連邦裁判所において、マイクロソフトが昨年末に法廷で異議申し立てを行った FBI の国家安全保障書簡に関する公文書 (英語/PDF 形式) icon_pdfが公表されました。これは、政府の調査活動からマイクロソフトの企業のお客様を守るための重要な第一歩を踏み出すことに成功した証です。

この訴訟に関する情報はこれまで非公開であったため、今回初めて詳細をお伝えできることとなりました。この問題については、現在世界中から強い関心が寄せられているため、問題の背景について情報を補足したいと思います。

今回の訴訟の対象となった FBI の書簡は、企業のお客様が所有するアカウントに関連する情報を求めるものでした。マイクロソフトの企業のお客様には、合法的な企業、政府機関、非政府組織などが含まれます。他の国家安全保障書簡と同様に、今回の書簡もお客様の基本情報のみを求める内容でした。

マイクロソフトの取り組みについて、昨年の 12 月の記事 blank で私は次のようにご説明しました。「法的な命令により、企業および政府のお客様のデータを求められた場合は、該当するお客様に通知を行います。報道禁止令により、お客様への通知を行えない場合には、法廷で異議申し立てを行います。過去にこの方法で異議が認められた実績があり、今後も同様の手段を取ることで、政府がお客様のデータを求める場合に、お客様への通知を行う予定です」

今回の件では、書簡に非開示規定が設けられていたため、法廷で異議申し立てを行うこととしました。マイクロソフトでは、この非開示規定が違法であり、憲法で定められた表現の自由に対する権利を侵害するものだと判断しています。企業のお客様のデータに関する法的な命令を受けた場合に、該当するお客様に通知を行うという慣例を妨げたためです。 シアトルの連邦裁判所でこの異議申し立てを行った結果、FBI は書簡を取り下げました。
幸いなことに、政府が企業のお客様に属するデータを要請するケースは非常にまれです。そのため、こういった問題について提訴する必要はこれまでめったにありませんでした。その数少ないケースにおいて要請を受けた場合には、お客様から直接情報を入手するように政府に要求するか、マイクロソフトがお客様から許可を得たうえで情報提供を行ってきました。今回の訴訟が、マイクロソフトの方針の正当性を裏付ける結果となったことを嬉しく思います。

先日、ベルリンとロンドンで数日間過ごし、世界中の政府機関、企業、市民団体の指導者の皆様が、米国国内の問題に引き続き高い関心を寄せていることを改めて実感しました。他国の方々とお会いするときに、政府による調査の問題に対して、米国の裁判所が強力かつ独立した役割を果たすのかと尋ねられることも少なくありません。

過去 2 世紀以上にわたって、米国の国民は最も基本的な自由を守るために裁判を起こしてきました。今回の一件により、裁判所が今後も果たす重要な役割と、裁判所がもたらす信頼性の根拠を見て取ることができるでしょう。