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業界

デジタル イベント「柔軟で迅速な意思決定とコラボレーションによるレジリエントなサプライチェーン」の概要と背景について

新型コロナ ウィルスのパンデミックにより、世界中のサプライ チェーンは甚大な影響を受けました。局地的な流行や新たな脅威の到来も予測されるこれからの時代、企業がさまざまな不測の事態に対応して生き残るためには「レジリエントなサプライ チェーン」の獲得が必須となります。

日本マイクロソフト主催のデジタル イベント「柔軟で迅速な意思決定とコラボレーションによるレジリエントなサプライチェーン」では、レジリエントなサプライ チェーンを阻害する要因とその対応について、またそれを支援する日本マイクロソフトのテクノロジについて詳しくご紹介しています。

本稿では、そのデジタル イベントの概要と背景を簡単に解説しています。興味を持たれた方は、ぜひアーカイブをご覧ください。

イベント アーカイブはこちら:
柔軟で迅速な意思決定とコラボレーションによるレジリエントなサプライチェーン

■多元化、複雑化が増す不確実性の時代におけるサプライ チェーンのあり方とは

製造・小売業のサプライ チェーンは近年、中国依存を脱して東南アジア圏へ拠点を移管するといったグローバル化の進展や、市場で求められる製品の複雑化に伴う開発、調達、製造プロセスの変化、ESG (環境・社会・ガバナンス)、SDGs (持続可能な開発目標)といった観点からの社会貢献への対応など、多元化、複雑化が進んできました。

そして世界中で頻発する自然災害や貿易紛争などがその複雑化に拍車をかけ、2019 年から世界を襲った新型コロナ ウィルスのパンデミックは、複雑化の傾向が長期的、慢性的に続くことを決定づけたと言えます。

すなわちこれからの時代は、想定外の事態が間断なく続く「不確実性の時代」であり、それに対応するサプライ チェーンの構築や管理においても、いっときの対処療法ではなく根源的な解決策が必要とされるようになるのです。

前述のとおり、新型コロナ ウィルスのパンデミックは世界中のサプライ チェーンに甚大な影響を与えました。物流は混乱し、消費マインドは減退。先の見えない状況下で、ほとんどの企業は少しでも被害を抑えるために事業継続を主眼に置き、コストの最適化や合理化に注力しました。

注目すべきは、その後訪れた景気の後退局面において、対応がふたつに分かれた点です。景気後退に追随して設備投資を抑制もしくは保留する企業がある一方で、自社の脆弱性を補完する投資を積極的に行うことでダメージを抑え、いち早く回復局面を迎えた企業も多く存在したのです。

■これからの時代を生き抜くために必要な「レジリエントなサプライチェーン」

この差はどこから生まれたのでしょうか。鍵となるのはサプライ チェーンのレジリエンシー (回復力 / 変化への対応力) です。

新型コロナ ウィルスのパンデミックを経験した多くの企業にとって、自社のみならず取引企業、さらにその先の 3 次サプライヤーまで含めた供給状況の「可視性の向上」は大きな課題です。また、今後は在庫管理や供給計画、注文管理の最適化への投資が求められることになります。

これらの課題を解決するためには、社内外含めたサプライ チェーン全体をデータとして統合し、想定外の事態が発生したときに「何が起きているのか」「何が起きたのか」をいち早く把握して「これから起きそうなこと」をシミュレートし、迅速なシナリオのプランニングからアクションにつなげられる体制やシステムづくりが重要となります。すなわち「レジリエントなサプライチェーン」の獲得こそが、コロナ禍における業績回復のかなめであり、不確実性の時代を生き抜くために必須な施策なのです。

組織が直面している課題

■レジリエントなサプライ チェーンを実現するデジタルの力

サプライ チェーン マネジメントの本来の目的は、需要と供給のギャップ コントロールです。レジリエントなサプライ チェーンを獲得するためには、まず平常時から顧客の需要動向を可視化し、一括管理を推進しておくこと。そして環境の変化に伴う顧客や市場の変化を予測し、想定外の事態が発生したときには別の打ち手に柔軟に移行できるシステムや体制を構築しておくことが大切です。

どの局面においても、デジタル技術、特にクラウドの活用が重要なポイントとなります。物理的な移動の制限や消費者ニーズの変化が起きやすいニューノーマル (ネクスト ノーマル) 時代においては、クラウド環境でのサプライ チェーン構築が有効であり、企業には業種をまたいだクラウドへの投資が求められているのです。

一方、多くの企業では今、想定外の事態が起きたときに、意思決定の遅れによって適切な打ち手が打てず、変化に対応できないという状況が生まれています。この背景には、部門ごとにばらばらのレガシー システムを使い、社内社外ともにばらばらにデータを分析するといった「サイロ化」の問題があります。

レジリエントなサプライ チェーンにおいては、統一されたデータを核として、購買、製造、販売といった部門や各ステイク ホルダーが同じデータを見て、インサイトも共有しながらコラボレーションして意思決定する。そして即座にかつ柔軟に再プランニングをして、次のアクションを実行する。こうした体制が理想とされます。そんななかで、レガシー システムの存在は重大なボトル ネックとなりかねません。

データは企業の大切な資産です。ですが有効に使われなければ宝の持ち腐れになりかねません。これからのビジネス アプリケーションは、バリューチェーン全体でデータを可視化して、そこにインテリジェンスを与えて実行に移していくものになるはずです。

データをインテリジェントなアクションに変換できるかどうか。Satya Nadella

■企業ごとに最適なサプライ チェーン構築を支援する日本マイクロソフトのクラウド ソリューション

Microsoft Cloud の各種技術は、サイロ化を生み出すレガシー システムのボトルネック問題を解消し、データを核としたサプライ チェーン変革の実現を支援します。たとえば工場設備や製造オペレーションのパフォーマンス最大化や、データ可視化や AI 活用による注文フルフィルメントの最適化、そしてサプライ チェーン全体の可視化によるリスク低減。日本マイクロソフトはこれらの施策を支える機能を提供することができます。

また、真にレジリエントなサプライチェーンを実現するまでにはいくつかのステップがあり、企業によってはいきなり高度なフェーズまで変革を進めることが難しい場合もあります。多くの企業が、サプライ チェーン情報の蓄積や共有といった初期フェーズに課題を抱えているのも事実です。日本マイクロソフトは、企業ごとの課題の優先度や成熟度、ステップに合わせて、他社システムとのコラボレーションも含めたさまざまなご提案を行うことができます。

10 年の投資で獲得したデータから価値を引き出すビジネス アプリケーション

■さらに詳細な解説が聞けるデジタル イベントをぜひご覧ください

現在アーカイブが公開されているデジタル イベント「柔軟で迅速な意思決定とコラボレーションによるレジリエントなサプライチェーン」では、これまで述べてきたレジリエントなサプライ チェーン構築のためのノウハウや具体的な課題の解決策を紹介しています。Microsoft Cloud のデモンストレーションを通して、柔軟な計画立案の流れや、ステイクホルダー間での共通データの閲覧、意思決定、再プランニング、仕入れ先とのコラボレーションまですべてシームレスに実行可能なサプライチェーン構築の様子をご覧いただけますので、ぜひ自社のサプライチェーン運用の参考としていただければと思います。

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柔軟で迅速な意思決定とコラボレーションによるレジリエントなサプライチェーン

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